2018年9月16日日曜日

作業のために作られない作業手順書

私の本業は、フリーランスのエスイーです。
(ドクターXみたいないい方しないように!!)

展開作業のマニュアルというか手順書を作ることもあります。

最近は、手順書をつくるということをせず、現地で口頭で説明し、作業に入ってもらうという一見乱暴な案件があります。懇切丁寧なマニュアルや手順書を作る工数(要するにお金)を割くことができなくなってきたからです。

展開作業には、残念なレベルの人もきます。この辺りの話は、いずれすることとして、
そういう人にもわかるような手順書をつくるというのは、難しいです。

残念なレベルの作業員は、そもそも手順書やマニュアルを”読むことができない”レベルですから、できるだけ文字を減らして、図面や写真を多用する絵本のようなマニュアル(手順書)にしなければなりません。

「”読む”手順書から”見る”手順書へ」

作ったことがある方ならわかると思いますが、これは、半端なく時間と手間がかかります。

潤沢な資金がある案件では、そうしたところにも時間と手間をかけますが、そうではない案件では、マニュアル作りに時間をかけず、作業慣れした人をアサインして、?現場指示で作業してもらったほうが良いわけです。
作業慣れした人であれば、作業の詳細を手順化する必要はありません。終着点(どこまで作業すればいいか)とパラメーター(設定情報)だけ提示すれば、目的は達成されるのですから、手順書をつくるために工数を割く必要がなくなるわけです。

>作業のために作られるのでは”ない”手順書(マニュアル)

(作業)手順書の中には、作業のために作られるわけではないものがあります。

納品物として提出する文書としての手順書です。

官庁系の案件、すなわち、入札を伴う案件では、要件定義書とか仕様書といわれるものが存在します。

簡単に言うと、ある調達案件がある場合、そのルールを定めたものです。このルールに従い、業者は、うちは、こんな感じでいくらで作業しますという文書を提出し(入札)、官庁は、その提出文書をもとに得点化し、業者を決めていきます。
こうしないと、価格だけの競争になり、「安かろう悪かろう」になってしまい、かえって、行政サービスに影響してしまうからです。

そうした調達案件では、作業終了後に納品物として提出しなければならないものが規定されています。この中に、作業で使った「手順書」は、必ず含まれます。

ここで提示される手順書に意味合いは、業者がどのような手順で作業をしたのか?という証跡です。
作業員が、手順書を理解できようができまいが、それは、関係ありません。発注側つまり役人が理解できれば、それでいいのです。(実際そこまで読み込んでいる人はいないと思いますが)

一般に展開案件で集まる作業員より、役人のほうがはるかに賢いですから(失礼、でも本当なので...)”肝”さえ押さえた手順書で十分伝わります。

しばしば、現場の作業員には伝わらなくても、手順書が問題とならないことがあるのは、その手順書が、「作業のための手順書ではなく、納品のための手順書」だからです。

ようするに、この場合の手順書は、馬鹿に合わせる手順書ではなく、役人のレベルに合わせた手順書というわけです。
となると、馬鹿に合わせた手順書を別途つくるか、事実上、手順書なし(読んでも理解できないので、ないと同じ)で作業に入り、炎上するか…あ~怖い怖い(笑)。

手順書(マニュアル)の話はこれくらいにしましょうか。

それでは。

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