2013年12月16日月曜日

「同一労働、同一賃金」なんて絶対無理だ!

皆さん、こんにちは。

ちょっと地方案件に行っていました。

突然ですが、我が家には、テレビはありません。地デジ化の時にやめてしまいましたので。

ですから、テレビが普段、どんな報道をしているのかわかりません。
テレビを見るのは、もっぱら、出張先のホテルくらいです。

でも、見たいと思うものってないもんですね。
と思いながら、先日12月15日の夜、BS-TBSで、こんな番組がやっていました。

「週刊BS-TBS報道部」 

出演されていたのは、連合の古賀 伸明会長
労働組合について、あれこれ特集を組んで放送していました。

その中でこんな感じのやり取りがありました。

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杉尾 秀哉キャスター
「同一労働、同一賃金が基本だと思うんですが、連合は、そういうことを言ってこなかったんじゃないですか?」
古賀会長
「そのとおりです。」
生井 俊重氏(経済評論家)
「非正規より働いている、正規社員もいますからね」
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杉尾キャスターこんなに浅い人だったのかと、私は、がっかりしました。
生井とかいう経済評論家に至っては、残念ながら、論外。

なぜ、私が失望したのか?(もともと、マスゴミには何も期待はしていないんだけど…(笑)

「同一労働」なんてありえない

杉尾キャスターに限らず、「同一労働、同一賃金」という理想をスローガンとして掲げている人がときどきいます。

ですが、そもそも、「同一労働」なんて、ありえないと、私は思うのです。

皆さんの日々のお仕事で、その内容が全く同じだったという事がありますか?

もし、あるとお答えの方がいたら、その方は仕事を舐めきっている人だと思います。

ありえません、どんな仕事であっても。

接客であれば、相手する人が違うはずです。同じ人であっても、その人の様子が全く同じという事はないはずです。
事務仕事でも、似ている書類があったとしても、全く同一ではないはずです。
製造でも、やっていることは日々同じでも、量や、機械の調子、シフトその他もろもろの条件が変わっているはずです。
研究職でも同じでしょう。

ルーチンワークでも、暇な時もあれば、忙しいときもあるでしょう?

任されている仕事の方法が同じでもそれを取り巻く環境や、内容、その仕事によって生じる事象が全く同一だという事はあり得ないはずです。

一人の人が携わる日々の仕事でさえ、同一といえる仕事が存在するとは言い難いのに、ましてや、他人と比べて同一の労働なんて、ありえないとおもいませんか?

もっと詳しく見てみましょうか?

たとえば、製造現場

何の製造でもかまわないが、製造現場は、一人の要員によって物が作られるわけではありません。まぁどんな仕事も一人で成り立つことはないのですが。(これがまったくわかっていない、派遣労働者に何度か遭遇するから、信じられないのだが、この話は、またの機会に)。

で、その製造要員によって、品質が変わってしまったら、商品にはなりません。

だから、製造現場では、製造の方法や手順が、人によって変わることなく、細かく作業手順が決められているわけです。加えて事故防止のために、安全マニュアルもあるわけです。
すなわち、作業の平準化は、製造現場では必須の事柄です。

「人による品質の違い」を生じさせないために。

もっとわかりやすい例を挙げれば、ファストフード店で出されるメニューがお店ごと、店員ごとによって味が違うとか、量が違うとかありませんよね?それと同じです。

だからといって、同一労働っていえますか?

たとえば、工場で手順が画一化されて、機械による自動化が確立されている現場だとしても、毎日、毎時間まったく同じ労働となるとは考えられない。

品質と手順が同じでも、仕事の内容が同じにはならないはずですよね?さっきの話と重複しますが。

同じ手順で物が作られるとしても、製造量、出荷時間など毎日違うはずですし、機械は、人の手が加わらないと常に一定の条件で稼動するとは限らない。メンテナンスの条件は、気象条件であったり、経年劣化であったり、ほかいろいろあるものだ、筆者も大いに経験していますが…

それでも、同一労働だと、いいきれますか?

品質、作業手順などの画一化と、同一労働は違うと思うのです。

仕事の内容もさることながら、役割も違っていると思いますよ、どんな場所でも。
自分に対応できない内容のことが起こったとき、わかる人や責任者に振ったり、振られたりしませんか?

これも、同一労働なのでしょうか?

正規であれ、非正規であれ、管理職であれ、部下であれ、同じ職場にいる人間は、同じ仕事をしているのではなく、同じ現場で、同じ時間を共有しているだけなのです。

「同一労働、同一賃金」 適用できますか?

「あの人と同じ仕事をしているのに…」って言えますか?

>>百歩譲ったとして

同一労働というものがあったと仮定しましょう。

その場合、同一賃金が妥当だとおもいますか?

私は、そうは思いません。

たとえば、ある案件で、複数の派遣会社から労働者が派遣されたとします(大量に人を雇うときは、リスク回避のために、そういうことをすることが多々あります。)。
その場合、派遣会社Aの派遣社員と、派遣会社Bの派遣社員で給料が違うという事は、珍しいことではありません。
それは、両方の会社の待遇が同一ではないからです。

これは、変なことですか?
まぁ、変と言えば変でしょうけれども、それを言ったら、同じ業種だったら、会社の業績にかかわらず賃金同一ということになるんじゃないですか?

同じ商品でも、店によって値段が違うという事ありませんか?同一労働、同一賃金の理論からすると、労働力も商品と同じですから、どんな商品も、どこの店で買っても同じ値段という理屈にならなければおかしくないですか?

皆さんは、家の修理とかで、工事を頼むとかありませんか?
会社によって値段違いますよね?それだって、その人の手元に入るかどうかわかりませんが、会社も労働に対する対価を得ていると考えれば、それもおかしな話になりませんか?

わが国は、共産主義社会ではありません。

同じ仕事であっても価格競争というのは生じますよね?

>>千歩譲って

同じ現場で、同じ種類の仕事をして、同じ時間を拘束されているのであれば、同一労働とみなそうと考えたとします。(これも仮定)

その場合、一緒であるべきですか?

プロ野球の選手の年棒、どうですか?
逆転サヨナラ打のヒットと、勝負が決まっているところで打ったヒットは、同じ労働ですか?

歌番組の歌手のギャラは、どうですか?

まだ、やりますか?



そう、「同一労働、同一賃金」なんていうスローガンは、確かに、聞こえはいいのですが、定義づけができない以上、実現不可能な話だと、私は思うのです。

問題は、もっと別のところにある。
私は、そう思っていますが、いかがでしょう?

この番組に関しての話は、まだ続きます。

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