12月15日放送のBS-TBSの番組は、労働組合の特集でした。
そのなかで、連合が非正規労働に対しても対策を立て始め、相談窓口を開設したという内容のVが流れました。
こちらのことです↓
連合に「非正規労働センター」
http://www.jtuc-rengo.or.jp/roudou/koyou/hiseikiroudou/
この中で、このセンターの担当者は、まともなことをおっしゃっていました。
「同じ、働く仲間という意識が正規側に乏しいため、結局個人で入れる労組に行ってしまう」
そうでしょうね、直接雇用のパート、アルバイトならまだしも、派遣労働者は、正規労働者中心の連合系労組には、まず入らないでしょう。
それに同じ働く仲間としての意識、雰囲気が出来上がるのは、相当先の話だと思います。
そのころは、既に、正規労働者というものがなくなっていたりして((笑)
元々、連合は、非正規労働者を快く思っていませんでした。いや、敵視していました。
その昔、当時の山岸会長は、こう明言されていました。
「非正規労働者の存在は、労働組合活動の足を引っ張る」と。
まぁ、わからないでもありません。
労働力の外部発注により、価格競争にもちこまれ、人件費を下げる要因となる非正規労働者は、「人件費を上げろ」という組合活動とは相反する存在ですからね。
ですが、これも、私が何度も言っている、報酬の趣旨から考えると、正しい認識とは言えません。
⇒報酬の趣旨についての記事は、こちらを参照。
非正規に振った仕事は、そもそも、定常状態になった仕事です。
正規労働者は、定常状態になり、ノウハウの流出の恐れのなくなった仕事を非正規に振ることによって、別のコアな業務ができる。または、新たなノウハウであったり、非正規のフォロに入るなりの新たな業務に行くわけです。
すなわち、正規と非正規では、役割ももらう報酬の趣旨も違うのですから、同列に扱うべき話ではないわけです。
よって「足を引っ張る」などという認識は、正しくないということになるはずです。
>>無視できなくなった非正規労働者の存在
さて、最初は、非正規労働者を敵視していたともいえる連合ですが、時代の流れからか、その存在を認めざるを得なくなりました。
その流れを決定的にしたのは、鴨桃代さん、の会長選挙での躍進ぶりでしょう。
こちらのりんく を見ていただければ、鴨桃代さんのことと、非正規労働者の組合のことがわかります。
今年の参議院選挙比例区にも立候補されていました。まぁ、社民党からじゃ、勝ち目はないとおもいますが。
加えて、連合の総組合員数の減少傾向、資料はこちら
この点の指摘は、番組でもされていましたね。
加入者、組織率が下がれば、組合としての活動に支障が出る。
そうなんです。
それって、発言力が下がるってことですか?
…まぁ、それもそうなんですが、そう思った方は、心がきれいな人です。
本心はそうではない。そこではない。
お、か、ね です。
お、か、ね。
組合員が減るという事は、組合費収入が減るという事です。
事務経費とは形いばかりで、一部の幹部の報酬、要するに、シノギですよ、シノギ。
そこで目を付けたのが、非正規労働者。
非正規労働者であれ、猫であれ、金さえ払ってくれればいいわけですよ。労働貴族の皆さんにとっては。はい。どうせ、労働組合は、労働者のためにあるのではないのですから。
それに、正規労働者から、そっぽを向かれ始めていたところで、弱者といわれる非正規労働者に手を差し伸べるふりをすれば、連合のイメージアップにもつながると。
労働者のために活動しているんだという事をアピールしたいですしねぇ~(本当は、そんなこと微塵も考えていないんだけどね)
でも、お金を採る以上、非正規労働者にもメリットがなければなりませんよねぇ~そこで、考えのが、冒頭に出てきたセンターというわけですよ。
>>そもそも、非正規労働者と正規労働者が一緒になって権利を守る戦いをすることができるのでしょうか?
直接雇用のパートアルバイトならまだしも、直接雇用ではない、派遣労働者、業務委託労働者といった人たちは、どうなんだろう?
直接雇用組が、条件闘争に勝利したとしても、それ以外の人たちは、給料の出所が違うのですから、反映されないのではないでしょうか?
派遣先企業と、派遣会社の間では、契約関係しかありません。
派遣会社が契約を切られてしまえば、それでおしまいです。
ですから、条件闘争で勝利したところで、そして、その時に、非正規雇用の給料も上げろと要求し、それが通ったとしても、別の派遣会社に切り替えられてしまえば、何の意味もなしません。
「別にあなたじゃなくてもいい」は、「この派遣会社でなくてもいい」なのです。
非正規労働者中に、いや、正規の方でもいいのですが、労働組合に何か期待しすぎていませんか?
労働組合が何とかしてくれる、労働組合が助けてくれるなどと、思っていたら、痛い目に合いますよ。
労働組合は、労働者のためにある団体ではないのだから。
つづく
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