2013年12月28日土曜日

秋葉原の事件


もう何年になるんでしょう?、秋葉原の連続殺傷事件

容疑者が、非正規労働者だったこと、事件前、派遣先企業でトラブルを起こしていたという事から、非正規問題と一緒に扱った人がいたこと、一緒に扱おうとしていた報道があったことを覚えていますか

その最たるものが、フリーター全般労働組合の労働貴族、労働ヤクザ。

さすがに、その時の会見動画は、もうYouTubeに上がっていないと思いますが、皆さんは、どう思いましたか?

私は、確かに、引き金になったかもしれません。
ですが、基本的には、容疑者当人の問題だと思います。

ですから、この事件を非正規労働問題と結びつけて考えるのは、ナンセンスと考えていました。

世の中、通り魔だらけになってしまいますからね。
まぁ、みんな苛立っているのはわかりますけど。

ですが、当時、そう考えない非正規労働者も、かなりいたのです。
今もそう思っているんでしょうかね?

事件当時、mixiの非正規労働者コミュで、
「みんなで秋葉原に集まって、献花して、非正規労働者の待遇改善を訴えよう」という呼びかけをした人がいました。

それに呼応する馬鹿者たち(おっと、失礼)に、反論した人たちがいたのだが、叩かれまくってしまいました。叩かれた人たちの中に、私も含まれているのですが…。

彼らの主張を要約すると

「非正規労働者は、低収入で生活が苦しい、だから、今回の事件もそれが背景にあり、容疑者には、同情する。だから、こういう事件を起こさせないためにも、強く自分たちの境遇を訴える必要がある」

中心になって、反論した人の主張
「非正規だろうと何だろうと、通り魔が正当化されるわけがない」

私の主張
「そんなことをしても何の意味もない、むしろ、逆効果だ。
私たち非正規労働者は、通り魔予備軍、犯罪者予備軍ですと言って歩くようなもの。そんな奴に高い報酬を払う会社がどこにある?自分たちで自分たちの首を絞めるような行動は、やめてほしい」

これに対して、
「非正規社員が起こす犯罪は増えているの!訴えるのは当然」と言ってきた奴がいました。

まぁ、これ以上馬鹿と議論をしても無駄なので(おっと失礼)、主だって反論していた方とほぼ同時に私もそのコミュは離れました。たかだか、mixiですし、次元が低すぎるので(笑)。

***************

ところで、最後の発言「非正規労働者が引き起こす犯罪は増えている」のくだり。

本当にそういえるのでしょうか?

「増えているかどうか」は、印象で言うのではなく、ちゃんと数字で示さなければなりません。

感覚的に、または、報道の数で仕入れた情報だけで「増えている、いない」を判断してはいけないと思うのです。

まず、増えている、いないをちゃんと判断するには、以下のことをしっかり意識しておかなければなりません。

1:いつ と比べて増えているのか?
2:何を持って増えていると判断するのか?

まず「1」、いつと比べて増えているというのかですが、昨日なのか?一年前なのか?10年前なのか?江戸時代なのか?

たとえば、この例の場合、
昨日に比べて、非正規労働者の犯罪が増えているといったところで、だから?という事になるでしょう?

一年前、10年前なら?
その一年の間、10年の間に何があったのか?という事になると思います。
その、大きな出来事の前後での違いとなると情報として、意味を持つと思います。

とはいえ、江戸時代と比べて、となると、意味を持ちません。
江戸時代には、そもそも非正規労働者などいなかったわけですし、そもそも、社会構造が違うわけですから…当たり前だという事になるのは、自明ですよね。

次に「2」
何をもって、増えているとジャッジするのか?です。
ただ単純に、非正規労働者の犯罪件数が増えているから、増えていると判断するのは早計です。

率で考えなければ、意味がありません。

どういうことか?

まず、検討すべき数字というのは、思いつくままに出しただけで、これだけ上がります。

 
 0:人口
 1:犯罪全体の件数(数)
 2:犯罪発生率、1÷0 の推移(率)
 3:労働者総人口
 
 4:非正規労働者総人口
 5:労働者人口に占められる非正規労働者人口の割合 4÷3(率)
 
 6:非正規労働者が起こす犯罪の件数
 
 
 7:犯罪者に占める非正規労働者の割合 6÷1 
   8:非正規労働者の犯罪発生率 6÷5

何が言いたいか、賢明な方は、お分かりですね。

6の数だけ見れば、非正規労働者の犯罪件数が増えていると言えるかもしれません。

また、7を見ても、増えていると言えるでしょう。

ですが、

実は、8で見ていかないと、意味がない。

犯罪が、人間の集団の中で一定の割合起こってしまうと仮定すると、分母が増えれば、分子も増えてしまうのは当たり前の事象です。

ですから、実数で追って、判断し、考察しては、いけないと思うのです。

この場合だと、

8の数字と、正規労働者の犯罪発生率、主婦の犯罪発生率、無職の犯罪発生率、年金受給者の犯罪発生率、などと比べていく必要があります。そして、推移。

さらに、収入との相関関係も分析する必要があるでしょう。

では、「非正規労働者の犯罪が増えているというのは、本当なのか?それは、非正規労働が原因と言い切れるのか?」について、犯罪白書、労働白書、その他もろもろのデータから、分析算出してみようか?と思ったのですが…。

これがかなり大変な作業であることがわかりました。

ですから、しません((笑)。

それを出したところで、私がやろうとしている、現場サイドでの労働環境を少しでも良くするという事には、あまりつながらないからです。

というか、本当は、めんどくさいのです((笑)

このあたりの話は、高齢者の万引きが増えているという話題についてですが、情報の分析について、良くできていると思うので、リンク貼っておきます。
http://finalrich.com/sos/sos-economy-crime-rank-generation.html

そろそろ、もっと具体的な現場事例の話がしたいです。

それでは。





2013年12月27日金曜日

ブラック企業の定義

ブラック企業アナリストの新田龍さんという方がいるらしい。
こちらの方
http://biz-spice.jp/public/detail/1029/1212/

ブログは、こちら
http://ameblo.jp/nitta-ryo/theme3-10029446770.html#main

なるほどね。

この方の定義によると、ブラック企業とは、
「経営陣に遵法意識がなく、それによって社員、顧客、取引先などステークホルダーが報われない会社」
だそうです。

「ブラック企業」という言葉だけが独り歩きしているような感があるので、きちんとした定義づけは必要だと思います。

ただ、遵法意識がないのは経営陣だけではありませんし、ブラック企業化する社風は、経営陣だけでは生まれないと思うのです。

それにしても、ブラック企業アナリスト という肩書があるんですね。
そちらの方が驚きだったりして((笑)

2013年12月22日日曜日

日雇い派遣はそんなに悪いことだったのか?

いわゆる日雇い派遣が2012年10月から一部例外を除いて原則禁止になりました。

そんなに悪いことだったのでしょうか?

確かに、問題はありますが、全面禁止というのは、どうなのでしょうか?
実際、抜け穴だらけだったし、かえって条件が悪くなってしまったし。

**********************************************************************....

確か、日本テレビでワンクリックバイトの実態を報道したのが最初だったのでは?
最初だったような気がします。

番組では、派遣会社が用意したと思われるタコ部屋で仕事の依頼を待つ一人の男性を追い、その生活実態を追うものだったと記憶しています。

仕事の依頼と受諾が携帯電話のメールでやり取りされることから湾クリック日雇いとかなんだとか言われたような。

そして、それが、次から次へと阿呆なマスゴミに伝染し、それで大騒ぎした、圧力団体をバックにする政治家たちが非正規で働いたことがない官僚や有識者たちが、くだらない規制に走った。

というのが、私の認識です。(かなりゆがんでいますが)

と私のゆがんだ認識が正しいか否かは、おいておいて(笑)今日話したいのは、

「日雇い派遣は、そんなに悪いことだったのか?」です。

日雇い派遣が悪い→低収入、不安定だからローンも組めない、将来が不安。

確かにそうです。日雇い仕事はそうですね。

ですが、これが社会問題化していたころって、日雇い派遣全盛のころは、常駐派遣や、正規労働なんて、ホント少なかったうえに、世の中がリストラ三昧で、なかなか決まらなかった頃なんですね。

私も何十社と正社員、常駐系の派遣の仕事に応募しましたよ、まぁ、私の場合は、能力がないというのもあったので((笑)、面接に行っても駄目、いや、面接にも進めない。
面接にいっても、複数の派遣会社とのコンペになっていたりする、などなど。

無駄な時間を相当、費やしていったわけです。

で、考え方を変えたのです。

すぐ決まる日雇い派遣で、日にちを埋めてしまえと。

そこでとった方法が

手当たりしだい、単発派遣に応募する。

もちろん手当たりしだいですから、複数の派遣会社に登録することになるわけです。

そのときに、担当者に
「単発しかやらない」旨
「複数の派遣会社に登録している」旨
そして、
「一番最初に来たものを受ける」旨
つたえておくのです。

そうして、結構つながせていただきましたね。
40連勤とかやりましたよ。若かったなぁ~今?無理。

その時知り合った人とかのつながりで、今、仕事をもらえているといった感じでしょうか?

要は、その制度の中で、どうするか?を考えればいいと思うのです。

もっとも、制度は絶対ではないので、時に修正は、必要です。

ですが、一律禁止では、ことは足りません。
ニーズと制度を認めたうえで、行き過ぎを止める。
本来そうあるべきじゃないですかねぇ?

しかし、マスゴミは、非日常を好みます。
多くの日常には目を向けません。
悲惨なものはより悲惨に。

要するに、ほしいのは、ニュース性と人の不幸だけで、。。
まぁ、そこにとどめていただければ、そういうもんだですみますが。
たちの悪いことに、一部を全てのごとく報道し、それを嗅ぎ付けた「仕事のない政治家」が、それをネタに動くのが性質が悪いのです。

以前ほどではないですが、ワンクリックワークは、なくなっていません。

むしろより悪くなった形で残っているのです。

無駄で不毛な競争を繰り返しながら。

私は、そんなところには行かないけれど。

2013年12月20日金曜日

労働組合は役割を失っているのか?

例のBS-TBSの番組で、テーマの一つに挙げられていました。

こういうことを言っている時点でどうなんよって感じだと思いませんか?

時代とともに、環境は変わります。

にもかかわらず、旧態依然たるやり方で、毎度おなじみ春闘祭り。

これでは、離れていくに決まっています。

「役割は何か?」などと、マスゴミのテーマにされているようでは、いけません。

もともと、労働組合ってどういうものだったのでしょう?

労働者の労働環境を良くすることじゃなかったのでしょうか?

やるべきことはたくさんあるんじゃないでしょうかねぇ~

なのに、どうして、「役割は何か?」なんて話が出てしまうのか?

それは、バブルな時に、そう、あまり組合が切迫していないときに、あぐらをかき、いわゆる労働貴族が年金暮らし的な運営をしたことによる「つけ」が、今さら的に、来ていると私は考えています。

バブル期に、経営側は、「不況時のために」と給料UPを渋りました。

これに対し、組合もある程度妥協してしまった。

経営側の主張をうのみにしたのと同時に、さほど切迫していなかったから、自己の出世のために労働組合を利用した。労働貴族の年金暮らし環境の構築に終始した。

ところが、その後、不況で、リストラがなされたのは、周知の通り。

その後の不況に対する対策を経営側が用意していた反面、労働側は、ほとんど用意していなかったのです。

>>労組は役割を失っていない。

さて、散々労働組合を貶している私ですが、労働組合が不要だとは決して思っておりません。

まだまだ、役割を失ってはいないと思います。

もし労働組合がなかったら?

労働条件悪化の歯止めがきかなくなってしまいます。

ブラック企業と呼ばれるところのほとんどが、企業内労組がないところです。

労組がないところでは、いわゆる36協定が締結されないんじゃないですかねぇ?。

※36協定(さぶろくきょうてい) 労働基準法36条に基づく労使間で交わされる協定のこと。協定を締結したら、労働基準監督署に提出することになっているため、不合理な時間外労働などの第三者チェックが可能になるという役割がある。詳しくは、こちら


たとえ、御用組合と化している労働組合だとしても、やるべき役割はあるのです。

ですが、それだけでは、労組は魅力を持たないでしょう。

きっと、旧態依然たる春闘、メッセージ性を持たない発想、取組みでは、魅力は発揮できません。

時代とともに、新しい発想に立つべき、変わっていくべきなのです。

そのためには、もう一度、ちゃんと理念をはっきり自覚しなければなりません。

そう、労働組合は、労働環境を改善させるためにあるのだという事を。

労働環境の改善は、何も給料Upだけではないはずです。

一つ、提言します(然るべき人に届くといいんだけどなぁr~)

これ以上、人件費が出せないというのなら、時短を迫れ!

定期昇給やベアに応じられないというのは、人件費が出せないという事ですよね?でも、現状の人件費なら出せているんですよね?ならば、労働時間を短縮させるという条件闘争なら実現可能じゃないですか?

もし、時短が実現したら…
 
 
 操業時間が短くなる⇒光熱費が下がる。⇒経費節減につながるうえに、エコ
 平日に役所に行ける、子供を迎えに行ける。
 フレックスタイムの幅が広がり、オフピーク通勤がさらに進む、ラッシュ時の混雑緩和につながる

さらに、多くの会社の就業規定に盛り込まれている、兼業禁止規定を撤廃させれば、バイトもできる。

サービス業は、人手不足です。ちゃんとした堅気の日本人サラリーマンなら、大歓迎のはずです。

人種差別するつもりはないけれど、中国、韓国人ならともかく、箸を使わないところの国の人間が作る讃岐うどんとか回転ずしなんて、俺は嫌だよ。

空いた時間で、趣味や自己啓発や、スキルアップの時間に当てることだってできますよ。
それは、間接的に社会の役に立ち、また、企業の役にも立つかもしれない。

そういうことのバックアップを労働組合がしていってもよいんじゃないかい?

弱い立場の労働者を集めて、集団となって、騒ぎ立てて条件を勝ち取る、という考え方から、その弱い一人一人を強くする「強い労働者へ」

これは、20年前、堅気のサラリーマンだったころ言ったんだけど…浮いてしまったね。

なぜか?

そう、組合ではなく、負け犬根性の労働者たちの心根は、そう簡単に意識改革できるものではなかったのです。

「お前は、大学出だからそんなことが言えるんだ。おれたちは、かわいそうなんだ」だって。

労働環境に関する諸問題、確かに、悪い会社、悪い経営者、悪い制度、悪い貴族、悪い組合もありますが、それだけではないのでしょう。

働いている側にも問題がある事が、実は、多いようです。

ようやく、このブログで話そうと思っていることに近づいてきそうです。

つづく

2013年12月17日火曜日

ユニオンショップと御用組合

前回の記事で、働組合は、労働者のためにあるわけではない と言いました。

そのいい例が、ユニオンショップの労働組合です。

ユニオンショップ協定とは、本採用時に、従業員は、労働組合に加入しなければならず労働組合を脱退した、または、除名された従業員を会社は解雇しなければならないという、労働組合と会社との間で締結される協定のことを言います。

大方の場合、その労働組合は、企業内組合ですから、さしずめ、入学すると、自動的に、生徒会の会員になるのと同じようなものです。

すごーく簡単にいうと、労働組合強制加入制度です。
(実は、似たような仕組みで、クローズドショップという制度もあるのですが、ここでは触れません)
日本では、特に大企業を中心に、このユニオンショップを採っている会社が多いようです。

*******ユニオンショップについて、もう少し知りたい人は、こちら

さて、皆さんは、このユニオンショップ協定って、どうおもいますか?

労働組合って、労働者のためのものでしょ?要するに、権利なんでしょ?
強制的に入れさせられるって変じゃね?

そう思った方いませんか?

労働組合加入は、任意であるべきだと。

ここで、少し、難しい話

わが国で一番、強い効力を持っている法律は?…憲法ですよね?日本国憲法

その日本国憲法には、表現の自由とともに、集会結社の自由、要するに団体を作って集まる権利というのが規定され、保障されています(21条1項)。

で、この権利の消極的な権利として、「団体を作らない、集まらない、入らない」自由(非加入の自由)というのも保障されているとされています。

そうすると、このユニオンショップ協定は、非加入の自由を保障した憲法21条1項に違反するジャン?

って、早とちりしない、早とちりしない。

実は、そうではないのです。

憲法の規定は、国家や地方公共団体といった権力にたいする一般国民の権利関係を規定する法律であって、国民同士、たとえば、企業と従業員や、今回のような労働組合と組合員といった、私人間の事柄には、原則として(ここがミソ)、直接適用されないのです。

とはいっても、一市民にとって、企業、特に、国家権力と同じような影響を持つこともあるでしょう。そうした場合、国家対国民の関係にないからと言って、憲法の規定を無視するようなことが、横行したらどうでしょう?事実上、一市民の権利はないがしろにされてしまうと思いませんか?

そこで、民間同士のことを規定する法律、民法の一般条項という規定を持ち出して(1条とか90条)その規定を適用する際に、この憲法の理念を解釈でもりこんで、解決を図ろうというのが、間接適用説と呼ばれる学説なのです。

という事を、もっときちんと勉強したい人は、中央大学法学部法律学科通信教育課程に行きましょう((笑)って、なんで私が宣伝しているんだ?

で、話がすごくややこしくなりましたが、
ユニオンショップ協定は、憲法21条1項で消極的に認められている非加入の自由という理念に反し民法で言う、権利の乱用の禁止(1条)、または、公序良俗に反する(90条)のではないですか?

ということが、かつて最高裁判所で争われたことがあるのです。昭和20年代の話ですけど。

で、結論は?


ユニオンショップ協定は、有効であると。

なぜか?

先ほど、憲法の規定は、私人間では原則直接適用されないと言いましたが、例外的に、直接適用される条文があるのです。

その一つに、28条があります。

第二十八条  勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

その昭和20年代に出された最高裁判所の判例では、憲法が国民の間で直接適用されるべくわざわざ規定した28条にもとづく労働組合団結の利益は、非加入の自由に優先されるとの見解で、ユニオンショップを有効だとしたのです。

ざっくりと説明しているので、詳しいこと、もっと正確に知りたい人は、どうぞご自分で勉強してください。私が話したいのは、この部分ではないので先に進みます。


ようするに、労働組合強制加入制度のユニオンショップ協定は、有効だというわけですが、やはり問題も多いのです。

ユニオンショップの問題について、うまくまとまっているのが、こちらの記述
 
 
 
 
 こちらのリンク先に出ている西谷敏先生は、ユニオンショップに批判的な学者として有名な方です。

でも、その労組の記事より、早くまとめていた人がいるのです。

「ユニオンショップの適法性について」1999年3月中央大学法学部通信教育課程卒業論文

ハイ、これ書いたのは私です((笑)。公開してもいいのですが、まぁ、やめておきましょう。

さて、突然ですが…

**********************************************
あなたは、50頭のサルの飼育係になりました。
貴方は、このサルたちを手なずけなければなりません。
さぁどうしますか?
**********************************************

1頭1頭手なずけますか?

普通はそんなことしませんよね?

サルは、群れを成して行動する動物です。
そして、その群れには、ボスがいます。

そのボスを押さえてしまえば、とりあえず、その50頭は掌握可能ですよね。
逆に、そのボスが言うこと聞かなかったら大変ですけれども。

ユニオンショップも同じなのです。
経営側が、労働組合の代表者を手なずけてしまえば、それでおしまいです。

では、どうやって?

専従と言われる労働組合のことだけをやっている従業員であっても、組合長、支部長といった組合内でのポストに、永久についているわけではありません。よほど変な労働組合でない限り任期があります。

任期終了で、労働組合から離れたところで、職位を上げるという餌を与えて手なずけるわけです。
「人をまとめる管理能力がある」とか「リーダーシップがある」とか言って。

出世したい人、または、こういうルートでなければ、到底出世できないような人が、労働組合の世話を焼いているなんて会社ありませんか?

かくいう私も某社の正社員だったときは(まだ堅気だったときは)、当時の次長から、強く勧められましたけどね。「自分のために、組合の仕事をやれ」と
もちろん「いやです」と言って、断りましたが、(退職したのは、そのウンか月後でしたが、(笑))

ユニオンショップの会社では、労働組合が御用組合化している事が多いのは、そもそも、そういう使われ方をしているからです。

要するに、ユニオンショップは、会社と組合幹部(労働貴族)のための協定であって、決して労働者のための協定ではないのです。

という切り口から、私の卒業論文は、20年代に出された判例は、現代に適合していないという結論にしていたような気が…。

もっとも、すべてがすべて、ユニオンショップの労働組合が問題を抱えているというわけでもないでしょう。

ですが、問題のない労働組合なら、何もユニオンショップにしなくても、オープンショップ(労働組合の加入が任意となっているところのこと)で構わないと思うのですが、皆さんは、どう思いますか?

つづく

非正規労働者のみなさん!連合に騙されてはいけません!

12月15日放送のBS-TBSの番組は、労働組合の特集でした。

そのなかで、連合が非正規労働に対しても対策を立て始め、相談窓口を開設したという内容のVが流れました。

こちらのことです↓

連合に「非正規労働センター」
http://www.jtuc-rengo.or.jp/roudou/koyou/hiseikiroudou/


この中で、このセンターの担当者は、まともなことをおっしゃっていました。

「同じ、働く仲間という意識が正規側に乏しいため、結局個人で入れる労組に行ってしまう」

そうでしょうね、直接雇用のパート、アルバイトならまだしも、派遣労働者は、正規労働者中心の連合系労組には、まず入らないでしょう。

それに同じ働く仲間としての意識、雰囲気が出来上がるのは、相当先の話だと思います。
そのころは、既に、正規労働者というものがなくなっていたりして((笑)

元々、連合は、非正規労働者を快く思っていませんでした。いや、敵視していました。

その昔、当時の山岸会長は、こう明言されていました。
「非正規労働者の存在は、労働組合活動の足を引っ張る」と。

まぁ、わからないでもありません。

労働力の外部発注により、価格競争にもちこまれ、人件費を下げる要因となる非正規労働者は、「人件費を上げろ」という組合活動とは相反する存在ですからね。

ですが、これも、私が何度も言っている、報酬の趣旨から考えると、正しい認識とは言えません。
⇒報酬の趣旨についての記事は、こちらを参照。

非正規に振った仕事は、そもそも、定常状態になった仕事です。

正規労働者は、定常状態になり、ノウハウの流出の恐れのなくなった仕事を非正規に振ることによって、別のコアな業務ができる。または、新たなノウハウであったり、非正規のフォロに入るなりの新たな業務に行くわけです。

すなわち、正規と非正規では、役割ももらう報酬の趣旨も違うのですから、同列に扱うべき話ではないわけです。

よって「足を引っ張る」などという認識は、正しくないということになるはずです。

>>無視できなくなった非正規労働者の存在

さて、最初は、非正規労働者を敵視していたともいえる連合ですが、時代の流れからか、その存在を認めざるを得なくなりました。

その流れを決定的にしたのは、鴨桃代さん、の会長選挙での躍進ぶりでしょう。
こちらのりんく を見ていただければ、鴨桃代さんのことと、非正規労働者の組合のことがわかります。

今年の参議院選挙比例区にも立候補されていました。まぁ、社民党からじゃ、勝ち目はないとおもいますが。

加えて、連合の総組合員数の減少傾向、資料はこちら 
この点の指摘は、番組でもされていましたね。

加入者、組織率が下がれば、組合としての活動に支障が出る。

そうなんです。

それって、発言力が下がるってことですか?
  …まぁ、それもそうなんですが、そう思った方は、心がきれいな人です。

本心はそうではない。そこではない。

お、か、ね です。
お、か、ね。

組合員が減るという事は、組合費収入が減るという事です。

事務経費とは形いばかりで、一部の幹部の報酬、要するに、シノギですよ、シノギ。

そこで目を付けたのが、非正規労働者。

非正規労働者であれ、猫であれ、金さえ払ってくれればいいわけですよ。労働貴族の皆さんにとっては。はい。どうせ、労働組合は、労働者のためにあるのではないのですから。

それに、正規労働者から、そっぽを向かれ始めていたところで、弱者といわれる非正規労働者に手を差し伸べるふりをすれば、連合のイメージアップにもつながると。

労働者のために活動しているんだという事をアピールしたいですしねぇ~(本当は、そんなこと微塵も考えていないんだけどね)

でも、お金を採る以上、非正規労働者にもメリットがなければなりませんよねぇ~そこで、考えのが、冒頭に出てきたセンターというわけですよ。

>>そもそも、非正規労働者と正規労働者が一緒になって権利を守る戦いをすることができるのでしょうか?

直接雇用のパートアルバイトならまだしも、直接雇用ではない、派遣労働者、業務委託労働者といった人たちは、どうなんだろう?

直接雇用組が、条件闘争に勝利したとしても、それ以外の人たちは、給料の出所が違うのですから、反映されないのではないでしょうか?

派遣先企業と、派遣会社の間では、契約関係しかありません。

派遣会社が契約を切られてしまえば、それでおしまいです。

ですから、条件闘争で勝利したところで、そして、その時に、非正規雇用の給料も上げろと要求し、それが通ったとしても、別の派遣会社に切り替えられてしまえば、何の意味もなしません。

「別にあなたじゃなくてもいい」は、「この派遣会社でなくてもいい」なのです。


非正規労働者中に、いや、正規の方でもいいのですが、労働組合に何か期待しすぎていませんか?

労働組合が何とかしてくれる、労働組合が助けてくれるなどと、思っていたら、痛い目に合いますよ。

労働組合は、労働者のためにある団体ではないのだから。

つづく

非正規よりも、ってねぇ?

2013年12月15日放送のBS-TBS「週刊BS-TBS報道部」

*******************************************
生井 俊重氏(経済評論家)
「非正規より働いている、正規社員もいますからね」
*******************************************

この経済評論家、大変失礼ながら、ただの世間知らずの隠居ですな。

これだから、マスゴミは、困る。

いいですか、もう一度言いますよ。
報酬の意味合いを

*******************************************
正規労働者の報酬⇒その組織に拘束しておくためにかかる経費。
非正規労働者の報酬⇒仕事の対価
*******************************************

報酬の意味合いの違いについて書いた記事は、こちら

報酬の意味合いが違う⇒雇用契約が違う⇒期待される仕事内容や役割が違う

すなわち、

両者を比べること自体、間違っているのです。

だから、

非正規と正規どっちが良く働いているかなんて、比べること自体、ナンセンス極まりないのです。

問題は、そんなことではないのです。

つづく。

2013年12月16日月曜日

「同一労働、同一賃金」なんて絶対無理だ!

皆さん、こんにちは。

ちょっと地方案件に行っていました。

突然ですが、我が家には、テレビはありません。地デジ化の時にやめてしまいましたので。

ですから、テレビが普段、どんな報道をしているのかわかりません。
テレビを見るのは、もっぱら、出張先のホテルくらいです。

でも、見たいと思うものってないもんですね。
と思いながら、先日12月15日の夜、BS-TBSで、こんな番組がやっていました。

「週刊BS-TBS報道部」 

出演されていたのは、連合の古賀 伸明会長
労働組合について、あれこれ特集を組んで放送していました。

その中でこんな感じのやり取りがありました。

******************************************************************************
杉尾 秀哉キャスター
「同一労働、同一賃金が基本だと思うんですが、連合は、そういうことを言ってこなかったんじゃないですか?」
古賀会長
「そのとおりです。」
生井 俊重氏(経済評論家)
「非正規より働いている、正規社員もいますからね」
*******************************************************************************

杉尾キャスターこんなに浅い人だったのかと、私は、がっかりしました。
生井とかいう経済評論家に至っては、残念ながら、論外。

なぜ、私が失望したのか?(もともと、マスゴミには何も期待はしていないんだけど…(笑)

「同一労働」なんてありえない

杉尾キャスターに限らず、「同一労働、同一賃金」という理想をスローガンとして掲げている人がときどきいます。

ですが、そもそも、「同一労働」なんて、ありえないと、私は思うのです。

皆さんの日々のお仕事で、その内容が全く同じだったという事がありますか?

もし、あるとお答えの方がいたら、その方は仕事を舐めきっている人だと思います。

ありえません、どんな仕事であっても。

接客であれば、相手する人が違うはずです。同じ人であっても、その人の様子が全く同じという事はないはずです。
事務仕事でも、似ている書類があったとしても、全く同一ではないはずです。
製造でも、やっていることは日々同じでも、量や、機械の調子、シフトその他もろもろの条件が変わっているはずです。
研究職でも同じでしょう。

ルーチンワークでも、暇な時もあれば、忙しいときもあるでしょう?

任されている仕事の方法が同じでもそれを取り巻く環境や、内容、その仕事によって生じる事象が全く同一だという事はあり得ないはずです。

一人の人が携わる日々の仕事でさえ、同一といえる仕事が存在するとは言い難いのに、ましてや、他人と比べて同一の労働なんて、ありえないとおもいませんか?

もっと詳しく見てみましょうか?

たとえば、製造現場

何の製造でもかまわないが、製造現場は、一人の要員によって物が作られるわけではありません。まぁどんな仕事も一人で成り立つことはないのですが。(これがまったくわかっていない、派遣労働者に何度か遭遇するから、信じられないのだが、この話は、またの機会に)。

で、その製造要員によって、品質が変わってしまったら、商品にはなりません。

だから、製造現場では、製造の方法や手順が、人によって変わることなく、細かく作業手順が決められているわけです。加えて事故防止のために、安全マニュアルもあるわけです。
すなわち、作業の平準化は、製造現場では必須の事柄です。

「人による品質の違い」を生じさせないために。

もっとわかりやすい例を挙げれば、ファストフード店で出されるメニューがお店ごと、店員ごとによって味が違うとか、量が違うとかありませんよね?それと同じです。

だからといって、同一労働っていえますか?

たとえば、工場で手順が画一化されて、機械による自動化が確立されている現場だとしても、毎日、毎時間まったく同じ労働となるとは考えられない。

品質と手順が同じでも、仕事の内容が同じにはならないはずですよね?さっきの話と重複しますが。

同じ手順で物が作られるとしても、製造量、出荷時間など毎日違うはずですし、機械は、人の手が加わらないと常に一定の条件で稼動するとは限らない。メンテナンスの条件は、気象条件であったり、経年劣化であったり、ほかいろいろあるものだ、筆者も大いに経験していますが…

それでも、同一労働だと、いいきれますか?

品質、作業手順などの画一化と、同一労働は違うと思うのです。

仕事の内容もさることながら、役割も違っていると思いますよ、どんな場所でも。
自分に対応できない内容のことが起こったとき、わかる人や責任者に振ったり、振られたりしませんか?

これも、同一労働なのでしょうか?

正規であれ、非正規であれ、管理職であれ、部下であれ、同じ職場にいる人間は、同じ仕事をしているのではなく、同じ現場で、同じ時間を共有しているだけなのです。

「同一労働、同一賃金」 適用できますか?

「あの人と同じ仕事をしているのに…」って言えますか?

>>百歩譲ったとして

同一労働というものがあったと仮定しましょう。

その場合、同一賃金が妥当だとおもいますか?

私は、そうは思いません。

たとえば、ある案件で、複数の派遣会社から労働者が派遣されたとします(大量に人を雇うときは、リスク回避のために、そういうことをすることが多々あります。)。
その場合、派遣会社Aの派遣社員と、派遣会社Bの派遣社員で給料が違うという事は、珍しいことではありません。
それは、両方の会社の待遇が同一ではないからです。

これは、変なことですか?
まぁ、変と言えば変でしょうけれども、それを言ったら、同じ業種だったら、会社の業績にかかわらず賃金同一ということになるんじゃないですか?

同じ商品でも、店によって値段が違うという事ありませんか?同一労働、同一賃金の理論からすると、労働力も商品と同じですから、どんな商品も、どこの店で買っても同じ値段という理屈にならなければおかしくないですか?

皆さんは、家の修理とかで、工事を頼むとかありませんか?
会社によって値段違いますよね?それだって、その人の手元に入るかどうかわかりませんが、会社も労働に対する対価を得ていると考えれば、それもおかしな話になりませんか?

わが国は、共産主義社会ではありません。

同じ仕事であっても価格競争というのは生じますよね?

>>千歩譲って

同じ現場で、同じ種類の仕事をして、同じ時間を拘束されているのであれば、同一労働とみなそうと考えたとします。(これも仮定)

その場合、一緒であるべきですか?

プロ野球の選手の年棒、どうですか?
逆転サヨナラ打のヒットと、勝負が決まっているところで打ったヒットは、同じ労働ですか?

歌番組の歌手のギャラは、どうですか?

まだ、やりますか?



そう、「同一労働、同一賃金」なんていうスローガンは、確かに、聞こえはいいのですが、定義づけができない以上、実現不可能な話だと、私は思うのです。

問題は、もっと別のところにある。
私は、そう思っていますが、いかがでしょう?

この番組に関しての話は、まだ続きます。

2013年12月14日土曜日

なんで、労組の同意が必要なんだ?

おはようございます。

時間がないので、さくさくと。。。

3年ルールがいよいよ、撤廃されるようです。

気になるのが、労組の同意が必要だとかというところ。

労組は、その構成員の多くが、正規労働者でしょ?(アルバイトも加入できるところもあるけどね)要するに、派遣先に直接雇用された人間が加入している団体でしょ?

なのに、どうして、外部発注により職場に来た人間の話について、同意云々というはなしになるのだろう?

何度も言っていますが、正規労働者と非正規労働者は、その趣旨が違うのですから、同じ次元で議論しても仕方がないのです。

まったく無関係だとは言いませんよ。

ただ、非正規労働の労働条件については、正規労働者や直接雇用者の労組ではなく、非正規労働者の労組でしょ?かかわるべきは。

ちょっと違うような気がするのですが。
出張案件が終わったら、もう一度調べてみようと思います。

2013年12月12日木曜日

別にあなたじゃなくていい(その2:勘違い非正規を産み出している正規労働者)

******************************************
非正規労働者の報酬は、仕事の対価である。
正規労働者の報酬は、その人間を、その会社、団体、役所ほかに、所属させる経費、言い換えれば、集団に拘束するための経費である。
*******************************************
この前提に立ち返ると、いろんな答えが出るような気がします。

ここから、仕事のあり方、取り組み方、責任の所在とかが変わってきます。

私が、非正規を規制すれば、正規雇用が増えるという図式が成り立たない と言っているのは、この趣旨が違うからということからなのです。

さて、
別にあなたじゃなくていい ということの第二弾

ですが、

もう一度おさらい、
非正規労働者の報酬は、仕事の対価であるから、相手が要求する範囲の仕事さえしてもらえれば、誰でもいいという事になります。

ですから、非正規労働者は、まず、相手が要求することを行わなければなりません。

やたらと、自分の業務とは言えないことに対する改善やら、自分の主張を職場に求めたりする非正規労働者がいますが、それは間違いです。

なぜならば、その非正規労働者は、いずれ組織からいなくなる人間だからです。

組織からいなくなる人間に、組織の在り方とか、ノウハウにかかわることを任せる経営者がいると思いますか?

さて、勘違いをしている非正規がいるのは、その人本人の考え方にもあるのですが、実は、非正規を使っている側に問題があることが少なくありません。

前回も少し話しましたが、非正規労働者を、奴隷だと、正規労働者、使っている側は偉いんだぞ!的なふるまいをする輩が少なくないのです。

こうした輩の困った考え方が、勘違い非正規を産み出していると言ってもよいかもしれません。

会社が、非正規を使う理由は、ずばり、人件費節減です。

そして、それは、人に紐づく価値、すなわち、会社の情報、ノウハウ流出がない状態で行いたいわけです。

とすると、非正規労働者に任せる部分は、そうした懸念がないところという事になりますよね。

新たな価値を生み出す仕事であったり、新たなプロジェクトを立ち上げるとか、会社の利益を上げるとかいうことを非正規に任せるわけがありません。

いわゆる定常状態になった部分を非正規に任せ、正規労働者は、これからを作り出す、いわゆる、コア業務を行うというのが王道です。

これ等の業務は、現在または、明らかに見える形で利益が出る業務ではありませんから、仕事の対価というのを算出するのが難しいので、人に基づいて報酬を得ている正規労働者がやるべき仕事なのです。

となると、正規労働者は、非正規労働者に任せる部分をちゃんと作り上げなければならない。

にもかかわらず、これができていない現場が多いのです。

では、どうすべきなのか

(1)定常状態をきちんと作り上げる(誰がやっても品質一定の手順の確定)
(2)わからないこと、不明確なことをジャッジする人をちゃんと決めておく(これは正規労働者の仕事)
(3)イレギュラー対応のフロー、線引きを確定する(預けっぱなしにしない、これも正規労働者の仕事)
(4)案件の大方針及び、趣旨をちゃんと確定する、そして、その方針は、やたらと動かさない(これも正規労働者の仕事)

これで全てまかなえるというわけではありません。ざっくり、いま思いつくままに載せてみました。

要するに、
非正規労働者に、イレギュラーや責任を負わせるような、また、方針を作り上げるようなことをさせてはいけない と思うのです。

ところが、これができていないのですよ、何度も言うけれど。
便利な人件費抑制ツールと思っている人が、どれだけ多いことか!

これは、正規側、非正規側にとっても不幸な結果を招きます。

非正規側には、無用な責任や、厄介ごとを押し付けられ、不当に詐取される。
正規側には、勘違い非正規を発生させ、めちゃくちゃにされる。ノウハウが流出する。ノウハウが会社に残らない。使える非正規が定着しない。

他にもありますけどね。

正規労働者においては、人に紐づいている経費ですから、貴方でなければならないのです。貴方であるという事は、どういうことか?それは、責任を取るべき人なのです。

逆に、

別にあなたじゃなくていい、非正規は、非正規側から見ても、別に、この職場じゃなくてもいいという事なのです。

貴方の周りに、非正規に丸投げしてみたり、非正規に責任を負わせたがる正規労働者はいませんか?

都合の悪いことを押し付けるという正規労働者はいませんか?。
まさに、奴隷扱いする人、いませんか?

それでは、また。

2013年12月5日木曜日

別にあなたじゃなくていい

某案件で一緒になった派遣の人たち。

言われたことをやらず言われていないこと をやたらとやりたがったんだよね。

こういうことは、良く見かける光景です。

確かに、前向きに仕事をするというのは、大事かもしれませんが…

「それが、何の利益をもたらすのですか?」
ここがわかっていない。

一般に非正規労働者(一般にといったのは、クリエーターなどの方たちもいるので一緒に論じられないという意味です)は、その派遣先のスタッフではありません。

自分たちの職場環境を良くするために、働きかけることは時として必要ですが、それ以外のことをやる必要はありません。

どうしてか?

これは、前にも話しました、非正規社員の報酬の意味合いに絡んできます。
会社は、「仕事の対価」として非正規社員の報酬を払っている。

つ、ま、り

期待している「仕事」さえしてくれれば、誰でもいいわけです。

そう、極論を言えば、「仕事」さえしてくれれば、犬でも猫でも猿でもいいのです。
ただ、犬、猫、猿は、仕事をしてくれません。
ですから、人間やロボットに仕事をさせる、そういう位置づけなのです。

ですから、与えられた「仕事」をきっちりこなすこと。
これが、労働力を買ったお客様である、派遣先のニーズであり、それにこたえるのが派遣社員などの非正規労働者であり、その対価が給料なのです。

な、の、で

別にあなたじゃなくていい」 わけです。

それが、わかっていないのが多いんだよね。実際。

ですが、労働者側だけに問題があるわけではないんですよね、中には、その線引きがわからず、いわゆる安易な丸投げをする会社や、正規労働者がいるのも確かです。

非正規労働者=奴隷 と思っている会社も山ほどあるのが現状です。

そして、奴隷的扱いで、苦しんでいる、非正規労働者が沢山いるのも事実です。

奴隷ではなく、仕事の対価として給料をもらっている労働者というのが正しいのに…

そうなってくると、また、そもそも、会社を信用していない派遣労働者は、自分の身を守るために暴走するわけです(笑)。

このネタは、ちょっとネタが多く、根が深いので、少しずつ綴っていこうと思います。

2013年12月3日火曜日

日雇い派遣禁止の影響~試験監督を例に~

みなさんは、学校のテスト以外に、試験をうけたことはありますよね?

入試にせよ、資格試験にせよ。

その資格試験の試験監督のほとんどが、主催団体の職員ではなく、派遣社員やアルバイトだという事だという事をご存知ですか?

国家試験の類も例外ではありません。

場合によっては、その会社にまるまる運営を委託するというところもあるでしょう。

主催団体は、問題の作成と採点、合否判定をするだけというのが通例です。

もっとも、これは間違った方法ではありません。
ちゃんと、受験生の答案を管理すれば、何の問題もないやり方です。

今や、試験の運営は、イベントの運営と変わらないのです。

試験は、そうそう、多く行われません。

TOEICや漢字検定のように年に何回もといったところで、毎日あるわけではないのです。

そんなたまにしかない試験のために無駄に人を抱えるわけにはいきません。

とすると、試験当日は、正職員の応援を借りることになる。
タダですら高い日当で休日出勤手当を出すことになる。コストがかかってしまいます。
正職員とはいえ、おそらく他の部署からの応援ですから、派遣に依頼しても、品質が変わるわけではありません。

では、直接雇用のアルバイト、または、パートにしたらどうでしょう?

(1)アルバイト、パートといえども、直接雇用にすると募集、給与、福利厚生などの事務処理が発生し、コストがかかってしまいます。

(2)これを派遣にすると、これ等の手間が省けるというメリットがあるわけです。

コストを下げたい主催団体側
仕事がほしい派遣会社側
結果的に受験料を下げてほしいと思っている受験生側
誰も困っていなかったはずなのです。
これは、法を作った厚生労働省も同じだったはずなのです。

*****************

さて、原則禁止となったからと言って、こうした試験における単発労働者のニーズがなくなったわけではありません。
ニーズがなくなっていなければ、どうなるか?

形態が変わって運営されるようになりました。

<今まで>
主催団体⇒(業務委託)一次請けの運営会社⇒二次請けの派遣会社⇒派遣社員または、アルバイト

<原則禁止以降>
主催団体⇒一次請けの運営会社⇒(請負契約)⇒派遣会社⇒(業務請負)⇒監督員
または、
派遣会社⇒(アルバイト)⇒監督員

大体こんな感じです。

これにより報酬は、どうなったでしょう?

下がりました。
思いっきり。

とある派遣会社からもらっていた今の会社、時給1600円
がバイトに切り替わり 時給900円+交通費
になってしまったのです。

で、仕事の内容は、というと、同じなのです。

そもそも、労働者のための制度改正のはずだったのになぁ~と。
単なる賃下げじゃない?

賃下げだと、経済界が喜ぶ話かもしれませんが、経済界は、日雇い派遣禁止に反対でした。今回の見直しも、経済界の要請です。

う~ん、何がしたかったのでしょうねぇ~
賃下げ以外にも、大体同じ面子で仕事ができ、品質も安定していたわけです。働く側に不満があれば、リピーターにならないでしょ?
そんな現場も、この制度は、壊してしまったのです。

************************

なんでこんなことに?なったのでしょうね?

法制度を変える、法による規制をかけるときには、「どういうニーズや理由があってそういう現象が出てきたのか」ここに注意して規制をかけなければ、無駄な規制がかかるだけで、余計な事務処理が増えるだけになってしまいます。

日雇い派遣は、日雇いの仕事が必要だというニーズがある限り、これを規制したところで、日雇い仕事がなくなるものではありません。要するに、規制することは、出来ないのです。

もし日雇い派遣による貧困救済を政策として行うつもりがあるのなら(まぁ、政治家たちがそんなことを考えているとは、過去においても、現代においても、無いと思いますが)、最低日当制度を創設すべきだったのではないかと思いますけどね。そんな発想はないんでしょうかねぇ~

日雇い派遣禁止は、働く人にしわ寄せが行く規制でした。

こんな規制、誰が決めたのでしょう?

民主党や社民党とかが主体的に動いていたとしたら、連合をはじめとする正規社員の労働組合が後押ししていたというのなら、そのセンスを疑います。

これも、「非正規で仕事をしたことがない人間たちが、非正規労働の問題を議論している」から、こんなセンスのない規制を考えてしまうのでしょうか?

「個人の働き方、働く態様」を規制するというやり方で労働者が幸せになるとは、到底思えないのですが、皆さんは、どう思われますか?