2013年11月28日木曜日

日雇い派遣 原則禁止の愚

昨年10月から、派遣労働法が改正になり、日雇い派遣が原則禁止になりました。
くわしくは、こちら
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/kaisei/01-1.html

 
原則、という以上、例外があるわけです。

<図2> 禁止の例外にあたる場合

さて、この原則禁止が見直されるようです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131010-00000002-wordleaf-bus_all

朝日新聞にも、批判的な記事が載っていました。2013年11月22日朝刊生活面
(下のリンクは、有料記事) 
http://www.asahi.com/articles/TKY201311210502.html

ところで、この日雇い派遣原則禁止、いったい何がやりたかったのでしょう?
この規定の経緯は、
http://www.e-sanro.net/sri/YonBiz/cont_pdf/a01_2008_11_20.pdf

ワーキングプアの原因が日雇い派遣だと

http://video.weblio.jp/content/%E6%97%A5%E9%9B%87%E3%81%84%E6%B4%BE%E9%81%A3

この一連の報道などで、社会問題化したワーキングプア問題は、日雇い派遣が悪いという風潮になってしまいました。まるで、その当時、急成長したグッドウィル、フルキャスト、を叩くかのごとく。

この日雇い派遣禁止を推し進めたのがどんな人たちだったのかは、わかりませんが、彼らは、日雇い派遣を禁止すれば、「常用派遣または、正規労働者が増える」と本気で思っていたのでしょうか?

それとも、五月蠅い人たち(特に、労働組合をバックにする政党や、貧困層や労働者、弱者の味方のような動きをするひとたち)を黙らせるために、結果はどうあれ、日雇い派遣を禁止にしたのか?

いずれにしても、結果は、規制する前からわかりきっていました。

常用派遣も、正規労働も、増えるわけがない。

のちに、具体例を挙げますが、日雇い派遣は、日雇いで雇う必要があるから、存在したわけです。

前にも言いましたが、非正規労働者の報酬は、仕事の対価です。
そして、正規労働者の報酬は、その労働者を雇い主が拘束するための経費です。
(ブラック会社の場合は、仕事の対価のまとめ払いで、しかも割引的なものですが、詳しくは、こちらの記事を)

ようするに、両者は、存在する意味合いが違うのです。
ですから、非正規労働に対する規制をかければ、正規労働者が増えるという関係にありません。
そもそも、意味合いが違うもの同士に、相関関係があるわけがありません。

そして、日雇い、言い換えれば、単発の仕事は、あらゆるところで発生しているわけで、その働き手のニーズというのが、すぐになくなるとは到底思えません。

ですから、非正規労働のあり方にかけられた規制は、非正規労働というカテゴリーの中で影響を及ぼしてくるにすぎません。

より具体的にいうと、日雇い派遣が禁止されれば、登録型アルバイトであったり、業務請負という形に変わるだけです。

じゃあ、契約の形が変わっただけなら、働き手には、何ら影響なかったんじゃないか?と思う方がいるかもしれませんが、実はそうではなかったのです。

次回、私が喰らった実例を挙げてみたいと思います。


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