2013年12月12日木曜日

別にあなたじゃなくていい(その2:勘違い非正規を産み出している正規労働者)

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非正規労働者の報酬は、仕事の対価である。
正規労働者の報酬は、その人間を、その会社、団体、役所ほかに、所属させる経費、言い換えれば、集団に拘束するための経費である。
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この前提に立ち返ると、いろんな答えが出るような気がします。

ここから、仕事のあり方、取り組み方、責任の所在とかが変わってきます。

私が、非正規を規制すれば、正規雇用が増えるという図式が成り立たない と言っているのは、この趣旨が違うからということからなのです。

さて、
別にあなたじゃなくていい ということの第二弾

ですが、

もう一度おさらい、
非正規労働者の報酬は、仕事の対価であるから、相手が要求する範囲の仕事さえしてもらえれば、誰でもいいという事になります。

ですから、非正規労働者は、まず、相手が要求することを行わなければなりません。

やたらと、自分の業務とは言えないことに対する改善やら、自分の主張を職場に求めたりする非正規労働者がいますが、それは間違いです。

なぜならば、その非正規労働者は、いずれ組織からいなくなる人間だからです。

組織からいなくなる人間に、組織の在り方とか、ノウハウにかかわることを任せる経営者がいると思いますか?

さて、勘違いをしている非正規がいるのは、その人本人の考え方にもあるのですが、実は、非正規を使っている側に問題があることが少なくありません。

前回も少し話しましたが、非正規労働者を、奴隷だと、正規労働者、使っている側は偉いんだぞ!的なふるまいをする輩が少なくないのです。

こうした輩の困った考え方が、勘違い非正規を産み出していると言ってもよいかもしれません。

会社が、非正規を使う理由は、ずばり、人件費節減です。

そして、それは、人に紐づく価値、すなわち、会社の情報、ノウハウ流出がない状態で行いたいわけです。

とすると、非正規労働者に任せる部分は、そうした懸念がないところという事になりますよね。

新たな価値を生み出す仕事であったり、新たなプロジェクトを立ち上げるとか、会社の利益を上げるとかいうことを非正規に任せるわけがありません。

いわゆる定常状態になった部分を非正規に任せ、正規労働者は、これからを作り出す、いわゆる、コア業務を行うというのが王道です。

これ等の業務は、現在または、明らかに見える形で利益が出る業務ではありませんから、仕事の対価というのを算出するのが難しいので、人に基づいて報酬を得ている正規労働者がやるべき仕事なのです。

となると、正規労働者は、非正規労働者に任せる部分をちゃんと作り上げなければならない。

にもかかわらず、これができていない現場が多いのです。

では、どうすべきなのか

(1)定常状態をきちんと作り上げる(誰がやっても品質一定の手順の確定)
(2)わからないこと、不明確なことをジャッジする人をちゃんと決めておく(これは正規労働者の仕事)
(3)イレギュラー対応のフロー、線引きを確定する(預けっぱなしにしない、これも正規労働者の仕事)
(4)案件の大方針及び、趣旨をちゃんと確定する、そして、その方針は、やたらと動かさない(これも正規労働者の仕事)

これで全てまかなえるというわけではありません。ざっくり、いま思いつくままに載せてみました。

要するに、
非正規労働者に、イレギュラーや責任を負わせるような、また、方針を作り上げるようなことをさせてはいけない と思うのです。

ところが、これができていないのですよ、何度も言うけれど。
便利な人件費抑制ツールと思っている人が、どれだけ多いことか!

これは、正規側、非正規側にとっても不幸な結果を招きます。

非正規側には、無用な責任や、厄介ごとを押し付けられ、不当に詐取される。
正規側には、勘違い非正規を発生させ、めちゃくちゃにされる。ノウハウが流出する。ノウハウが会社に残らない。使える非正規が定着しない。

他にもありますけどね。

正規労働者においては、人に紐づいている経費ですから、貴方でなければならないのです。貴方であるという事は、どういうことか?それは、責任を取るべき人なのです。

逆に、

別にあなたじゃなくていい、非正規は、非正規側から見ても、別に、この職場じゃなくてもいいという事なのです。

貴方の周りに、非正規に丸投げしてみたり、非正規に責任を負わせたがる正規労働者はいませんか?

都合の悪いことを押し付けるという正規労働者はいませんか?。
まさに、奴隷扱いする人、いませんか?

それでは、また。

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